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表紙写真 System of Culture

2026-8月号 AUGUST

特集= 08 学会賞の宛て先


08 The AIJ Prize, for whom?

 

特集08 学会賞の宛て先

日本建築学会賞は建築分野の顕著な業績を顕彰する制度として、論文、作品、技術、業績、教育、文化などへ対象を広げながら成長してきた。
だが『建築雑誌』で学会賞が論じられるとき、その視線はしばしば学会賞(作品)へと集中する。
まるで「日本建築学会賞=学会賞(作品)」であるかのように。この等号は、学会賞についての議論を作品部門に閉じるだけでなく、その評価が誰に向けられ、どこへ届くのかを見えにくくしてきた。
 本特集ではこの等号をいったん解き、学会賞の宛て先を問い直す。
想定される宛て先のひとつはアカデミズムである。論文/作品の二部門は互いにどのような視点を投げかけうるのか? 作品はどこまで論文とのアナロジーで語りえるのか?
もうひとつの宛て先は社会である。学会賞という制度そのものは社会とどのような回路を結びうるのか? 学会が授賞作品として送り出した建物は日常生活のなかでどう受け取られているのか?
 学会賞を「誰が受賞したか」からだけでなく、「誰に届くのか」から読み直すこと。
それが本特集の試みである。
 なお本号には、2026年日本建築学会賞の各賞受賞者および選評も掲載される。
あわせてご覧いただきたい。

★過去の『建築雑誌』における日本建築学会賞を特集テーマとした号
・1985年2月号「建築作品の使命:学会賞作品の残したもの」
・1993年1月号「日本建築学会賞受賞作品を解析する」
・2004年1月号-2005年12月号「学会賞 先に見たもの/先に見えるもの」
・2008年1月号「建築学会作品賞を問う京都迎賓館をめぐる「和」の評価」
・2013年5月号「建築評価の現在形」
・2017年5月号「建築賞を考える」

[目次]

00巻頭連載
部門別受賞数の変遷:
総体変化にみる学会賞制度の成長

02

特集 学会賞の宛て先

03挿絵1
選評にみる論文部門と作品部門の重なり
04論考1
日本建築学会賞における論文部門と作品部門
松井健太
06アンケート1
過去10年の両部門受賞者による相互コメント
08座談会1
学術成果としての学会賞
千葉学、郷田桃代、長谷川哲也
14挿絵2
作品部門選評の質的変化/作品部門選評の量的変化/
日本建築学会賞(作品)選評に現れる「建築」
16論考2
賞の哲学
難波優輝
18座談会2
学会賞(作品)の社会発信と社会受容
宮沢洋、佃悠、澁谷遊野
24アンケート2
学会賞(作品)の社会的反響・活用

ちいさなワールドメイキング:絵本とたてもの:01
26ムーミンと難民:ムーミン一家はなぜ塔の家に住むのか 田村将理

復興のリアリティーズ:08
28命てんでんこ
―先人から学び・先人になる
瀬戸元

越境の現場を巡る:06
30ノビシロハウスにみる地域ケアのかたち
―カフェと地域医療の拠点を組み合わせた高齢者向け賃貸住宅の実践
加藤忠相

ものづくりの過去と現代:08
32ウォークインクローゼットについて
岩元真明