表紙アートワーク REFLECTA, Inc.
表紙写真 System of Culture
2026-10月号 OCTOBER
特集10 Now Asia 変化のなかで、学び合う
コロナ禍、中東情勢、米中関係の緊張を背景に、グローバルな関係性が急速に組み替えられている。
脱植民地化をめぐる議論も高まり、西洋近代を唯一の基準としない技術や歴史の捉え方が問い直されるなか、本特集は、日本とアジア各地との関係をあらためて考える試みである。
日本は地理的にはアジアの一部でありながら、近代以降、アジアとのあいだに独特の距離を保ってきた。
しかし現在、人、資本、技術、文化の双方向の移動が広がり、「支援する側/される側」「教える側/学ぶ側」といった従来の一方向的な構図だけでは捉えきれない関係が生まれている。
同時に、アジアは決してひとつではない。人口増加と都市化が進む地域がある一方、高齢化や人口減少に直面する国もあり、気候危機もそれぞれに異なるかたちで都市や暮らしを揺さぶっている。
本特集では、主にアジア各地に移り住み、設計、施工、研究、教育、まちづくり、インフラ整備などに携わる13名による論考と、建築分野以外で活躍する3名へのインタビューを通して、各地におけるこの10年ほどの変化と現在を見つめる。アジアの複数のリアリティを浮かび上がらせ、日本の現在をアジアの変化のなかに置き直すことで、これから互いに何を学び、共有できるのかを考えたい。
| [目次] |
| 00 | 巻頭連載 皮で餡を包む食べ物から見えるアジア |
| 02 | 特集 Now Asia 変化のなかで、学び合う |
| 03 | インタビュー1 過去の狭間に未来を見出す ─アジアが照射するリアリティーズ 高山明肌 |
| 07 | インタビュー2 感覚のアジア ─経済成長のなかにみる各国の変化 益子陽介、高杉早苗 |
| 11 | インタビュー3 都市の余白に生きる ─カオスとインフォーマリティの可能性 小川さやか |
| 15 | 論考1 ムンバイ、保存と再編のはざまで 後藤克史 |
| 17 | 論考2 マカミアット ─パキスタンにおける地域に根ざした気候アクションと都市変容 ラーマン・アメナ、アーメッド・スネーラ |
| 19 | 論考3 私たちのリアリティー:ダッカ、「運営」からはじまる都市 ─設計する者が、その担い手になるとき 三木はる香 |
| 21 | 論考4 国境を越えて築く未来 ─政治的転換期を迎えたネパールと建築・都市・イノベーション ラムサル・ビカス |
| 23 | 論考5 Beyond Bawa ─経済危機が示すスリランカ現代建築の行方 田所真 |
| 25 | 論考6 歴史・観光都市シェムリアップから見たカンボジアと世界の移ろい 石塚充雅 |
| 27 | 論考7 共殖する都市へ ─ベトナムのGrow-Harvest-Share 丹羽隆志 |
| 29 | 論考8 バンコク:都市の垂直化からウェルビーイングへ 岩本昌樹 |
| 31 | 論考9 フィリピン内の分断をつなげていくことは可能か 高島春樹 |
| 33 | 論考10 先行するインドネシア、あるいは振り出しに戻る? 林憲吾 |
| 35 | 論考11 都市・建築・ランドスケープをつなぐシンガポールの高層緑化 遠藤賢也 |
| 37 | 論考12 自由のための公共空間 田熊隆樹 |
| 39 | 論考13 都市から農村へ、あるいはAとB之間 永岡武人 |
| 41 | 総論 『近代』を揺さぶる、アジアの「複数の現実(リアリティーズ)」 中村航、小林恵吾 |
| 42 | ケアを日常に返す ─福祉施設を地域に開く「ライフの学校」の実践 田中伸弥 |
| 46 | 選擇 傳統 創造展 ─戦時下で花開いたモダンデザインとその先の地平 大村理恵子 |
| 48 | 木壁の共有された記憶 パチャラダ・インプラン |