表紙アートワーク REFLECTA, Inc.
表紙写真 System of Culture
2026-7月号 JULY
特集07 アーカイブできない
建築のアーカイブに関する議論は繰り返されてきた。
図面、地図、模型、モックアップ、見積もり、契約書、写真、インタビュー、論文、リファレンス、地誌。
なにを残すのか、どう残すのか、なぜ残すのか。
一方で、なにかを資料として保存する時、そのアーカイブの周辺には、 かならず無数のアーカイブされなかったものたちが補集合として存在する。
それは優先度が低くアーカイブ「しきれない」と判断されたものかもしれないし、物理的、技術的にアーカイブ「できない」と判断されたものかもしれない。
建築における仮設、環境、状況、運営、物語といった形のない動的な情報を、アーカイブにおいてどう扱うのか、考えていきたい。
議論すべきは記述不可能性の問題にとどまらない。
ヒエラルキーなく資料を「保存・記録」することを大義として情報を蓄積していく、既存のアーカイブ概念そのものの検証もまた求められている。
蓄積された情報を、未来に対する原動力、すなわち動的な情報源として扱うためには、アーカイブの再考は必要である。
本特集は、「アーカイブできない」というタイトルのもと、記述の限界を見極めること、あるいは既存のアーカイブを動的な情報源へと開き直すことについて、いくつかの論考、対談、コラムによって多角的に検証することで、アーカイブという概念そのものを逆照射する試みである。
| [目次] |
| 00 | 巻頭連載 2つの検索結果 |
| 02 | 特集 アーカイブできない |
| 03 | 総論 動態としてのアーカイブズ 川勝真一、大野友資 |
| 04 | 座談会 アーカイブから制作に向けた資源へ 齋藤歩、佐藤知久、山崎泰寛 |
| 10 | インタビュー 建築家としてアーカイブに関わるということ 岩元真明 |
| 15 | コラム1 半熟のアーカイヴ 平諭一郎 |
| 16 | 論考1 アーカイブと現代における設計について 西澤徹夫 |
| 18 | 論考2 庭についての庭のように動的なアーカイヴとその不可能性 ―「Incomplete Niwa Archives 終らない庭のアーカイヴ」(2021-) 原瑠璃彦 |
| 21 | コラム2 ―地域活動をリアルタイムでアーカイブしていくための受け皿 西山広志 |
| 22 | 論考3 アーカイブから解き放つ ―エド・ルシェ「ロサンゼルスの街路」(1965-2010) エミリー・ピュー |
| 24 | 論考4 慣性と接ぎ木 ─見たことのある新しさ 川原達也 |
| 27 | コラム3 それはアーカイブされていた ─資格試験の過去問が記録する建築観 江本弘 |
| 28 | 論考5 アートにおけるアーカイブ的想像力 原田裕規 |
| 30 | 「つくること」がひらく関係性 ─kioku手芸館「たんす」の実践 松尾真由子 |
| 32 | 悩む所有者との対話の先に、建物が残って、町並みが残って 北林雅康 |
| 34 | レンガのゆがみ・目地と厚み 山田宮土理 |