表紙アートワーク 渡邉翔
2024-9月号 SEPTEMBER
特集09 住宅遺産の継承
日本近代史を彩る数多くの独立住宅の名作は、共に生きてきた施主の高齢化と相続の難しさを理由に、その多くが一代限りでの滅失の危機に瀕している。
一方で、近年の建築に対するカジュアルな人気は、そうした名作住宅に住みたいという若い世代の夢を後押しし、新しい形での継承を生み出しつつある。
「住宅遺産トラスト」は、所有者の目線に立ち、価値ある建物を住み継いでくれる継承者を捜す活動を長らく続け、少しずつその成功例を増やしてきた。
今回の特集では、住宅遺産の継承を果たした事例を振り返り、どのような協力を得てそれを実現したか、得られた満足感はどのようなものか、そして、より豊かな暮らしとはどういうものかについて考えてみたい。
[目次] |
0 | 巻頭連載 建築アーカイブの現在⑨ 竹村文庫 |
2 | 特集 住宅遺産の継承 |
4 | 座談会1 住宅遺産トラストの10 年間 木下壽子、津村泰範、吉見千晶 |
12 | インタビュー1 園田邸(吉村順三設計、1955 年)の継承 伊藤晴夫 |
14 | インタビュー2 代田の町家(坂本一成設計、1976 年)の継承 ガーダー・アイダ・アイナーソン |
16 | インタビュー3 ブルーボックスハウス(宮脇檀設計、1971年)の継承 菅泉拓己 |
18 | インタビュー4 粟津潔邸(原広司設計、1972 年)の継承 粟津ケン |
20 | 座談会2 住宅遺産の公開 松隈章、那須聖 |
26 | 論考 吉田五十八の住宅遺産を巡って 大井隆弘 |
30 | 三春町民体育館 伊藤寛、鴫原健二 |
32 | 在野の住宅継承の 本間智希 |