表紙アートワーク 渡邉翔

2025-10月号 OCTOBER

特集= 10 フィジタル・場所と体験の再統合


10 Phygital: Re-Integration of Place and Experience

 

特集10 フィジタル・場所と体験の再統合

一つの場所は世界に一つしかない。しかも場所と体験は一対のもので建築もそれを前提にしてきた。
情報技術の歩みはこの場所と体験の分離による人間拡張の過程と考えることができる。
ただ人類は新しいメディアを受け入れつつも、場所の持つ制約条件にも意味を見出してきた。
いま情報技術利用の最先端で物理的な体験とデジタルな体験を融合させるようなシステムがフィジタルという造語で呼ばれ始めている。
たとえばスマホのマップを見ながらの街歩きは現在地点、方向、地図情報と、その場の視覚情報が結びついたフィジタルだ。
もはや空間の価値が情報にも左右されることは避けられないとすれば、場所とデータが持つ力の再統合の方法が求められる。

[目次]

0巻頭連載
建築アーカイブの現在㉒
東京都立中央図書館特別文庫室
-江戸城関連資料-

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特集 フィジタル・場所と体験の再統合

4座談会
Phygital 時代の建築情報学の未来
池田靖史、稲坂晃義、谷口景一朗、山田悟史
8事例集
Phygital Matrix
池田靖史、稲坂晃義、谷口景一朗、山田悟史
10インタビュー1
場所と体験を再構築するインターフェース
―物理とデジタルの世界の未来への道筋
ジョン・ハンケ
14万博を視る3
フィジタルの実験環境としての
2025大阪・関西万博
豊田啓介
18インタビュー2
テクノロジーで身体性を刺激し
フィジカルな空間を豊かにする
中垣拳
22インタビュー3
いかにしてテクノロジーで感動する
場・空間をつくり出すか?
佐々木孔明
26論考1
データドリブン×AIネイティブのスマートビル
―日本発イノベーションの展望
粕谷貴司
28論考2
デジタルマッピングによる現場の追体験
―身体経験の共有と再創造
古橋大地
30論考3
フィジカルとデジタルの融合による
フィジタルな空間表現
北本英里子
32論考4
フィジタル体験が創出する空間と多感覚の統合
佐藤文彦

建築家の転回点⑤
34万博を視る4
構想から建設へ
転回点としての万博
斎藤公男

歴史を未来へつなぐ建築と人―DOCOMOMO Japan 選定建築物を巡って⑩
38館林市民センター(旧館林市庁舎)
井手竜也、西田万丈、丸山達也

いま、建築は歴史から何を学ぶのか⑪
40自然光を味わう
小川重雄