表紙アートワーク 渡邉翔

2025-9月号 SEPTEMBER

特集= 09 躯体とアウラ


09 Structure and Aura

 

特集09 躯体とアウラ

 建築は常に、理性的・合理的であることと同時に、それらを超えた「アウラ」のようなものが求められてきた。しかし「アウラ」の正体は謎めいている。建築はいかにしてそれを纏うことができるのか。本特集では、「躯体」という切り口からその謎を探る。建築の構造と空間の関係については、これまでもさまざまな実践や論考が積み重ねられており、そこでは建築における「構造」と「意匠」の関係が、単なる技術と造形という枠にとどまらず、時代ごとの思想を映し出すものであることが示されている。近代的な規範を乗り越えることが求められて久しい昨今、構造と意匠の間にも、これまでとは異なる新しい構築の萌芽がある。そこに見え隠れする、現代的なアウラの手がかりを手繰り寄せてみたい。

[目次]

0巻頭連載
建築アーカイブの現在㉑
谷口吉郎・吉生記念金沢建築館

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特集 躯体とアウラ

4論考1
解剖学からみる構造―骨の建築
アコス・モラヴァンスキー
8インタビュー1
多様な「ことわり」と禁則が導く架構の意匠性
井端菜美、河合啓吾
12論考2
建築は、何に〈はたらく〉か
後藤慶二/村野藤吾/長谷川堯
近代合理主義が置き去りにした近代
本橋仁
16インタビュー2
「ハイブリディゼーション」がもたらす豊かさ
グスタヴォ・ウトラボ
20座談会1
現代の実践と問題意識
木村吉成、青木弘司、大野博史
27座談会2
アウラと時代
福島加津也、伊藤暁、能作淳平、根市拓