2010-9月号 SEPTEMBER

特集= 建築年報2010

――建築学会総スクラム
Annual Report of Architecture 2010-Architectural Institute of Japan in a Full Scrum

 

 恒例の建築年報である。年に1回、この1年を建築学会として振り返り、今後の糧にする号である。で、あるなら16ある常置の調査研究関係専門委員会それぞれに現在のトピックを論じてもらおう。そして2009年から10年にかけての会長・副会長にこの1年の活動をチェックしてもらおう。
 さらに考えてみれば、2010年は21世紀が明けてから区切りの年ともいえる。もう、こうなれば、この10年のすべての会長をお呼びして、21世紀の初めの10年を総括していただこう。
 そして通常の年表のほかに、建築学会のここ10年の対社会的活動のスピードも直ちに判別する21世紀はじまりの10年年表も作ろう。
 このように編集会議は次第にエスカレートしていった。そして本号の題名を「建築学会総スクラム」とした。
 しかしこれこそが本来の建築年報なのではないかと、大いに自負している。対応いただいたすべての日本建築学会員に感謝する。
(編集長:中谷礼仁)


CONTENTS

特集イントロダクション 中谷礼仁 003

第一部
歴代会長座談会 歴代学会長に聴く──学会活動これまでの10年と今後
岡田恒男+仙田 満+秋山 宏+村上周三+斎藤公男 004

第二部
会長・副会長座談会 この1年、現前する課題に如何に立ち向かったか
佐藤 滋+深尾精一+辻本 誠+可児才介+櫻井 潔+吉野 博 009 

第三部
建築界の動向と展望
地球環境委員会 低炭素社会の構築に向けた建築分野の役割/三浦秀一 016
災害委員会 変容する建築学会の災害対応/林 康裕 017
文教施設委員会 学校建築の現在と展望/長澤 悟 018
情報システム技術委員会 BIMがかまびすしいですが/猪里孝司 019
農村計画委員会① 被災集落の復興と生活再建地──福岡県玄界島を中心に/後藤隆太郎 020
農村計画委員会②地域づくりの視点からみた文化的景観の保全/神吉紀世子 021
建築計画委員会① 計画・マネジメント・新しい公共性/宇野 求 022
建築計画委員会②東京、大阪中央郵便局の再開発計画が示唆する諸課題/南 一誠 023
都市計画委員会① 都市計画・アーバンデザイン教育の国際協働の取組み/有賀 隆 024
都市計画委員会②共創社会における都市計画の実践に向けて──2009年度都市計画部門研究協議会の成果と課題/小篠隆生 025
建築教育委員会 流動する建築教育──ガラパゴスシンドローム/稲葉武司 026
建築法制委員会 建築基本法を考える「基本」を考える/杉山義孝 027
環境工学委員会 今ここまで見える環境工学/
井上 隆+永田明寛+富永禎秀+鈴木広隆+大嶋拓也+一ノ瀬雅之 028
海洋建築委員会 海と陸をつなぐ海洋建築/濱本卓司 032
建築社会システム委員会 持続可能な住宅地像をめざして/森本信明 033
建築歴史・意匠委員会 「再現」建築は建築史の課題となるのか/中川 理 034
構造委員会① 構造委員会のあゆみ/中島正愛 036
構造委員会②長周期地震動に対する建築構造界の対応/北村春幸 037
構造委員会③木造住宅の設計法・評価法の現状と課題/五十田博 039
材料施工委員会 品質保証への期待に応える/上之薗隆志 042
防火委員会 伝統的な建築物と町並みの防火/樋本圭佑 044

第四部 
2001-2009建築年表 早稲田大学中谷礼仁研究室(森本英裕、伊藤杏奈、細井 淳、本間智希、森 太朗) 045

連載
日記のなかの建築家たち 第9回 ガラスの家/中村敏男 048
オン・サイト 
下田の住宅(設計:鈴木了二建築計画事務所)、2010年6月18日、金曜日、12時/山岸 剛 050
The Long Distance Chat
4・3(ヨンサン)以後──現代韓国建築家事情/鄭 麟夏×林 憲吾 052
建築写真小史・補記
『建築の黙示録』が撮られるまで/宮本隆司 053
特集を読んで(2010年7月号[特集=建築写真小史]) 054
建築の余白・先触れ、野蛮の記録/田中 純
研究と論考の推進を/藤森照信

第五部
2009年度支援建築会議・調査研究委員会活動報告 055

第六部
2009年度支部活動報告 075

第七部
建築年表2009 084