表紙アートワーク SPREAD
表紙写真 神宮巨樹
2022-9月号 SEPTEMBER
特集09 生きづらさを支える建築
本特集が手がかりとするのは発達障害である。社会や環境への適合に苦慮し生きづらさを抱える人を、社会はどのように包摂していけばいいのだろうか。発達障害への対応はソフト的な支援に着目されがちであるが、実際はハード面でサポートできることもたくさんある。生きづらさを抱える人々の感覚を借りて、一人ひとりがチューニングしやすい都市・建築のあり方を考えたい。
[ゲストエディター]
古賀政好(こが・まさよし)
竹中工務店医療福祉・教育本部専任課長、東京電機大学未来科学部建築学科非常勤講師/1985年生まれ/2008年立命館大学理工学部建築都市デザイン学科卒業、2013年東京電機大学大学院先端科学技術研究科修了、日本学術振興会特別研究員(DC2)/博士(工学)/国立保健医療科学院客員研究員を経て現職/専門:建築計画/幼少期〜高齢期の特別支援ニーズを包摂する建築・環境に関する研究を行う
橋口亜希子(はしぐち・あきこ)
橋口亜希子個人事務所代表/発達障害を手がかりとしたUDコンサルタント/公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団バリアフリー推進部アドバイザー/1971年生まれ/21年前に我が子が発達障害と診断される。親の会設立、NPO法人理事を会社員と兼務で行っていたが活動に注力するためキヤノン(株)を退職。発達障害団体事務局長を経て現在に至る/著書:『そのママでいい』
松原茂樹(まつばら・しげき)
大阪大学大学院工学研究科地球総合工学専攻准教授/1976年大阪府生まれ/2003年大阪大学大学院博士後期課程修了/博士(工学)/大阪大学助教を経て現職/専門:建築計画学/著書:『建築計画のリベラルアーツ(朝倉書店)』、『まちの居場所(鹿島出版会)』、『福祉転用による建築・地域のリノベーション(学芸出版社)』
[目次] |
000 | 連載 インスピレーションの起源 第9回 稲垣淳哉+佐野哲史+永井拓生+ 堀英祐/Eureka(エウレカ) |
002 | 特集 生きづらさを支える建築 |
004 | チェックリスト 誰にでも当てはまる発達障害の徴候 橋口亜希子・会誌編集委員 |
006 | 取材 もうすこしくわしく発達障害を知る 熊谷晋一郎 |
008 | 事例集 事例を通して理解する発達障害 会誌編集委員会 |
012 | インタビュー 当事者研究から見えてきた、 社会・建築に期待すること 綾屋紗月 |
018 | 取材 子どもとの関わりから見る、 社会・建築に期待すること 河髙康子・諏訪恵子・河髙素子 |
022 | 見学紀行 新国立競技場が秘める インクルーシブデザインの次世代標準 佐藤克志・髙橋儀平・川野久雄・古田安人・墓田京平 |
028 | 現代建築を"作品"たらしめるものは何か? ―建築批評の新たな視座を構築 伊藤孝仁 |