表紙アートワーク 渡邉翔
2024-10月号 OCTOBER
特集10 100年愛される大空間建築を目指して
市民のための集いの空間を提供する大空間建築は、古代から時代や地域を象徴する最も重要な構造物の一つであった。
これらが実現した際には、関係者も市民も、長く使われ続けることを信じていたに違いない。
実際、欧州などには世紀を超えて使われ続ける作品が多い。
現在、近代以後に建設された国内の大空間建築が転換期を迎えつつある。50年代に実現したRCシェルのほとんどはすでに失われた。
その後、各地に建設された体育館や市民会館などの多くが、すでに解体、あるいは解体の危機に瀕している。
なぜ、近代の大空間建築は比較的短命に終わってしまうのだろうか。
100年愛され続ける大空間建築を実現するためには何が必要なのだろうか。
[目次] |
0 | 巻頭連載 建築アーカイブの現在⑩ (株)NTTファシリティーズ イノベーションセンタ 資料室 |
2 | 特集 100年愛される大空間建築を目指して |
4 | 座談会1 「愛される」大空間建築とは 斎藤公男、内藤廣、大西麻貴 |
10 | 論考1 賢く減らし、創造的に活用する 川口健一 |
14 | 論考2 残像を建築する 小堀哲夫 |
15 | 論考3 建築という縁起 周防貴之 |
16 | 論考4 構造設計者の立場から 平岩良之 |
18 | 論考5 歴史のなかの大空間建築 長谷川洋平 |
20 | 論考6 100歳空間構造 上村一貴 |
22 | 論考7 ニューロアーキテクチャとしての大空間建築 ─残したいという思いをいかに生み出すのか 渡邉研司 |
24 | 座談会2 地域との共創が生むスポーツ施設の未来 上林功、岩元真明、山田憲明 |
30 | 論考8 大空間建築における改修と活用の事例 金箱温春 |
32 | 論考9 2つの公共建築の来し方と行く末 ─下関市の体育館と卸売市場を題材に考えるたたみ方と改め方 加藤詞史 |
34 | 論考10 使われ続ける大空間建築に向けて ―近現代の大空間建築の変遷 勝矢武之 |
36 | 論考11 昭和初期の鉄骨造大空間を 現代に甦らせることは可能か? ―東京都中央卸売市場築地本場・魚類仲買人売場の解体と現在 山﨑鯛介 |
38 | 論考12 大空間を活かすための環境デザイン 荻原廣高 |
40 | 論考13 進化し続けるシドニーオペラハウス 髙松謙伍 |
42 | クリティカル・フォルマリズム ―批評性により建築を日常世界から解放する 坂本一成 |
46 | ドバイ―砂漠にブランディングされた都市 丸山剛史 |
48 | 中間の建築 磯達雄 |