表紙アートワーク 渡邉翔
2024-11月号 NOVEMBER
特集11 データが再構成する建築
計算機能力の向上により、数多くのデータをリアルタイムに処理・分析することが可能となっている。もはや知らず知らずのうちにさまざまなデータを用いたダイナミックな制御によって私たちの環境はつくられている、といっても過言ではない。元来、空間に固定的な秩序を与えることによって人間の活動をコントロールしてきた建築は、流動的なデータの介入によってどのような変化を迎えるのか。それは建築かデータか、といった二項対立の関係を超え、建築とデータの合成によって人間の行動に応答する新しい環境の形成を予感させる。
磯崎新が「コンピュータ・エイデッド・シティ」のプロジェクトを発表して約50年、そして古谷誠章が「せんだいメディアテーク」のコンペで電子技術と空間の組合せが生み出す新しい建築の可能性を提案して約30 年。改めて、データによって再構成される建築の可能性を探ってみたい。
[目次] |
0 | 巻頭連載 建築アーカイブの現在⑪ 東京都市大学(旧武蔵工業大学) 世田谷キャンパス図書館 蔵田周忠文庫 |
2 | 特集 データが再構成する建築 |
4 | インタビュー1 情報技術の発達と建築空間 ─「せんだいメディアテーク」コンペから30年 古谷誠章 |
8 | 論考1 インフラとしてのカメラ・センシング 辺見和晃 |
10 | 論考2 データ活用によるスタンダード化 によらない構造エンジニアリング 福島佳浩 |
12 | インタビュー2 マルチスケールでのリアルタイム・データ 活用の可能性と課題 赤司泰義、徳田英幸 |
16 | 論考3 デジタルツインが拓く新たな建築空間 塚田学 |
18 | インタビュー3 幸福感のリアルタイム 矢野和男 |
22 | 論考4 解体木材から考える デザイン・加工・組立システムの適応性 木内俊克 |
24 | 論考5 合意形成の時間的スケール 酒井康史 |
26 | 座談会 特集を振り返って 池田靖史、稲坂晃義、谷口景一朗、山田悟史 |
30 | ―DOCOMOMO Japan選定建築物を巡って⑤ 福井神社 朝日海秀、山崎寛、玉村和恵、井上満枝 |
32 | 時代に即した社寺の 福本敦子 |