表紙アートワーク 渡邉翔
2025-5月号 MAY
特集05 建築展という敷地
『建築雑誌』の英訳"Journal of Architecture and Building Science" が端的に示すように、建築=建物ではない。
本特集では、形而上の次元をも含む広大な思考「建築」が建ち上がる場としての建築展を再考したい。昨今、日本各地で開催される多くの建築展は、図面・模型・写真という建築の代理表象に依拠しがちだ。だが単なる代理表象の展示に留まるならば、建築展の可能性を狭めてしまう。建築展は土地というフィジカルな制限から建築を解放し、より純粋にその思考を現前させるプラットフォーム(敷地)となりうるのではないか。建築展が建築の可能性を拡げることは、ひいては建築の本質を問い直すことでもあるのだ。
[目次] |
0 | 巻頭連載 建築アーカイブの現在⑰ 路上観察学会事務局 |
2 | 特集 建築展という敷地 |
4 | 座談会1 メディウムとしての建築 五十殿利治、卯城竜太、塚本由晴 |
10 | 編注 建物の補集合としての建築、 その敷地となり得る建築展 |
12 | インタビュー1 建てないことも建築である ALTEMY/津川恵理、戸村陽、小西隆仁、丁周磨 |
16 | インタビュー2 建築(展)のメタフィジカルな側面を炙り出す ―NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]の軌跡 畠中実 |
20 | 論考1 土地のうえで"家にいる" の経験から ᐊᖕᒋᕐᕋᒧᑦ / Ruovttu Guvlui / Vers chez soi / Towards Home ラフィコ・ルイス |
23 | 論考2 建物のみが建築ではないこと ―アルベルティと建築図面 岡北一孝 |
26 | 論考3 「建築」をいかに伝えるか ―磯崎新の建築展から 印牧岳彦 |
29 | 論考4 1920-30年代のソ連における 建築展と都市のトポロジカルな関係 本田晃子 |
32 | インタビュー3 建築の本質を突く、その方法として 三宅理一 |
38 | 大倉山ヒルタウン 川尻大介、岸佑、田上健一 、朴光賢、堀田典裕 |
40 | 音響デザインをめぐる 上野佳奈子 |